次は相関試験の話をしますね。
これが結構奥が深いんですよ。
試験自体は簡単で、測定試薬2つで同じ臨床検体を50例以上測定し、散布図を書かせて回帰式と相関係数を求める、というものです。
手慣れた人ならExcelで次のような図を描くことでしょう。
これで「はい終わり」としてしまっている人、結構多いんじゃないでしょうか。
回帰式は合っています。でも相関係数をちゃんと計算して書かないと。
「え、R^2が相関係数じゃないの?」
いいえ違うんです。
これは決定係数。回帰式がデータをどれだけ良く反映しているかを表している係数で、1に近いほどフィッティングが良いことを示しています。
直線回帰の場合は必ず、相関係数の2乗になるのです。
つまりExcelが私たちに親切で、相関係数を自動で計算してくれる機能を付けてくれた訳ではないのです。
Excelの「近似曲線の書式設定」でも、「グラフにR-2乗値を表示する」と書いてあって、そこにチェック入れたでしょ?
R-2乗値というのが相関係数だと勘違いしているだけなんです。
決定係数というのは多項式近似などの曲線回帰の場合でも意味がある数字で、Excelは回帰の当てはまり度合いをR-2乗値として計算してくれているだけなのです。
つまり、Excelでは散布図を作成して、「近似曲線の書式設定」で線形近似を選んで、「グラフに数式を表示する」にチェックを入れた後、
①「グラフにR-2乗値を表示する」にもチェックを入れて、R-2乗値の平方根を取って、r=0.??と書き込む、
②関数CORRELを使って相関係数を計算して、グラフにr=0.??と書き込む、
とするのが正解です。
間違えてる人、結構いますよ。
学者さんでも「相関係数R2乗は0.95であり…」とか学会で発表していたりしますし。
相関試験の話はまだまだ続きます。