次に日差再現性。英語ではBetween-day reproducibility。

困ったことに、これと言って決まったやり方は無いのです。
CLSIを見ても、「3施設以上で…」と書いてあって、完全にメーカー向けです。
臨床検査室で実施できる内容にはなっていません。

試験方法は簡単。毎日同じ試料を2回測定するだけです。
営業日が週5日とすれば、1週間で10測定することになります。
臨床検査室の場合、精度管理試料を午前と午後に測定するのが良いでしょう。

Between-day

日差再現性は同時再現性より、だいたいCVが1~2%高くなるのが普通です。
同時再現性は器具や装置のばらつきが要因でしたけど、日差再現性は他にも考慮すべき点があります。

・環境要因(朝と昼の温度差とか)
・Batch差(装置のスタートアップ直後と稼働中の違い)
・試薬の分離(比重の違う成分を混ぜていないか、撹拌は十分か)
・試薬の汚染(コンタミ対策は十分か)
・試薬の安定性(プロテアーゼ等による切断、基質の劣化)
・試薬の蒸発や結露による濃度変化
・試料の変化(乳び成分とかフィブリン塊による詰まり、等)

試験として実施するのは日数が掛かって面倒ですけど、臨床検査室では精度管理のついでにできてしまう試験です。
自分の所の装置や試薬がどれくらいばらつくのか、それが許容できる範囲内にあるのか、常に気を配っておくことをお勧めします。