特異性試験として、偽陽性の出現頻度を何%未満と規定して、健常人検体を測りまくった結果がはみ出さないかを調べることがあります。
感染症(HCV抗体とか)でよくやります。

数学的に考えれば、
①蛍光強度のばらつきは正規分布に近いはずなので、
②数値に変換する際にマイナスの値が切り上げになり、
③表示桁数の丸め誤差が出て、
結果として0付近に高い棒、隣に低めの棒、みたいになるのが自然です。

陰性分布

で、その自然な分布からちょっと外れたところに出る検体が問題なのです。
普通の解釈では、「これ非特異だよ」となるのですが、ちょっと理屈っぽい人にこういうデータを見せると、「この検体は本当に健常人と言えるのだろうか?除外対象ではないのか?」とか言い出すのです。

「そもそも健康の定義なんてないよ!」
残念ですが非特異です。理屈をこねる前に試薬を改良しましょうね。

なぜこんな試験をするのか?というと、お客様の潜在的な要望として「陰性と陽性の切れが良いこと」というのがあるからです。
カットオフ近辺で、陰性か陽性かよく分からない検体の計り直しを少なくしたい、という事でしょう。

我々技術者は、このような非特異による偽陽性の対策をいくつも知っています。
ただこれは論文にもなっていなくて、完全に各メーカーのノウハウ。
実はこういう所に、各メーカーがどれだけ研究しているか、技術を持っているかの差が出てくるものなのです。