イムノアッセイの特異性として大事なのが、交差反応性。
構造類似の物質に対してどれくらい反応するかを知るためのものです。
主に低分子量の抗原(ハプテンなど)に対して調べるものだけど、タンパク質でも構造類似のもの(例えば下垂体ホルモンはαサブユニットが全部共通)に対する反応性を調べたりします。

低分子量の場合は競合法を使って、次のように実験します。
①測定項目の抗原の希釈系列を作ります。
②類似物質の希釈系列を作ります。
③ ①と②を試薬で測定し、検量線を作成します。
すると以下のようなグラフが描けます。

交差反応性

だいたいの項目の場合は、抗原の希釈系列が一番左、つまり少ない濃度で競合が掛かる事になります。
類似物質の検量線は右側(高濃度側)にシフトしたものになります。

それで、それぞれのED50を読み取り、抗原のED50に対して類似物質のED50が何倍になるか計算して交差反応性何%というのを出すのです。

交差反応性試験は、抗体の性質を調べる試験です。
このため最初に抗体をスクリーニングする段階でやっておくべきものです。
開発の終盤になって、交差反応性が問題だー、と騒いでも後の祭り。別の抗体に替えるしかありません。

でもちょっと注意が必要なのは、必ずしも交差反応性が低いほど高性能、とは限らない点です。
たとえば臨床的意義が同じもの(例:ビタミンD2とD3)の場合は、同じぐらい反応した方が臨床と合っていたりします。

だから交差反応性は、添付文書や学術資料にきちんと記載して、臨床検査技師さんに「この試薬はこれぐらいの交差反応性があります」と正しく理解してもらうのが一番良いのです。