診断薬の性能特性といえば、私なら
「感度・特異性・再現性」
と答えます。そしてだいたい、
「古いよ。今は『感度・正確性・同時再現性』だよ。」
とツッコミ入れられます。もう慣れっこです。

確かに今の申請では、感度試験・正確性試験・同時再現性試験と規定されています。
それはなぜかといえば、昔の診断薬の添付文書では「性能」のところに、
特異性試験に、交差反応性のデータが載ってたり、
再現性試験に、日差再現性のデータが載ってたり、
感度と特異度」のデータが載ってたり、
各社バラバラでしたからね。
品質試験のやり方を統一しようとするのも道理でしょう。

でも、そういったことを承知した上で、曖昧さを含んだ
「感度・特異性・再現性」の、どの性能も大事だと思うのですよ。

つまり薬事上の品質管理項目としては、
「特異性」の中で「正確性」だけ、
「再現性」の中で「同時再現性」だけ
規格を満たせば出荷判定はできますが、
例え毎ロット試験しなくても、交差反応性や特異度、日差再現性といった要因も、開発する上では同じように大事だと思っています。

この話は実は根が深くって、試薬の外部仕様書を書くときに
「感度って何?定義は?」
「特異性とはトレーサビリティーの事か?」
「同時再現性はもっと低く書くべきではないか?」
なんて議論によくなります。
こんな会議は泥沼に陥ります。みんな考えていることがバラバラで、思い付く限りの知識を披露しようと必死になるから、全然意見がまとまらないんです。

このブログでは私が考えている診断薬の特性について、これから書いていきたいと思います。
もちろん賛否両論あるかと思いますが、書くことで曖昧さが少しでも整理され、解消する方向に向かえば幸いです。