さてタンパク質の実験の話を続けている訳ですが、最近のSDS-PAGEって、ずいぶん簡単になったと思いませんか?

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私たちの学生時代、SDS-PAGEといえば職人技で、ゲル作りから全部手作業でやっていたものです。
こういう実験用試薬キットを作る専門のメーカーがあって、色々改良したんだと思います。

そのせいで最近の若い子達は、正しいSDS-PAGEを知らないと思うのですよ。
例えばこうです。

「アクリルアミドとBISとTEMEDとAPSを混ぜて、グリセリンで比重つけて、グラジエンターで混ぜながらガラス板の間に注ぎ込む。アクリルアミドは有毒だから手袋必須。なおかつ手早くしないと固まる。」
→「ゲルって買ってくるものでしょ?」

「SDSサンプルバッファーにはServa Blue Gを入れておいて泳動の目印にする。グリセリンで比重をつけてサンプルが沈むようにしておく。メルカプトエタノールが入っているのですごく臭い。」
→「サンプルバッファーも買ってますよ。そもそもマーカーに最初から色着いてるし。」

「バンドがスメアーになるのを防ぐため、泳動後はすぐにメタノールと酢酸で固定。CBBで染色するときも、脱色するときも基本はメタノール・酢酸。臭いのでドラフトをつけっぱなしにして中で作業。」
→「買ってきた染色液に浸けて、脱色は水だけ。キムワイプ入れておくと速いですよ。」

「論文にするやつは一眼レフで写真を撮る。その後ゲルドライヤーで乾燥して保存。均一に温めないとゲルが割れる。」
→「スマホで写真撮ってゴミ箱にポイです。ゲルドライヤー?何それ美味しいの?」

わかる人だけ分かってくれれば良いです。
昔は苦労していたんですよ。臭くて手間が掛かり、廃液処理も大変。
それでも鮮明な泳動像を残す、SDS-PAGEは職人技でした。

もう昔には戻れない。