測定原理図の話の続き。
図を描くときには、実際の大きさは無視して、頭でイメージしやすいようにデフォルメするようにしています。
とはいえ、どうせ見えないからって適当なことを描いている訳じゃないのです。

このような事は、科学の世界ではよくやることです。
例えば原子の概念図:

原子

実際には原子や電子は点にしか見えないほど小さく、離れているのをあえて手頃な球にして、さらに存在確率でしかない軌道まで円にして書いているのです。

もう一つの例として太陽系:

太陽系

これも本当は太陽の大きさに比べれば、地球は1/100ぐらいで、木星や土星なんて遙か遠くの小さい球、ぐらいのスケールなのです。

このようにミクロの世界でもマクロの世界でも、説明のためあえてにこういう絵にしているのです。

同じように、イムノアッセイの測定原理図も大きさは無視しています。
以前、抗体とインスリンの大きさ比較をしましたが、

ins

抗原がステロイドやサイロキシンならば、もっと小さく、
抗原がIgMとかの巨大タンパク質なら、抗体よりずっと大きくなります。
これを原寸大にこだわって、同じ比率で拡大縮小していたら、かえってわかりにくい図になってしまいます。

もっと端的な例といえば、固相。
最も小さい診断薬用ラテックスの粒径が0.1~0.2μmぐらいですから、数nmの抗体より100倍ぐらい大きいんです。
コロッケに付いているパン粉、ぐらいなものでしょうか。

だから測定原理図は、あえて見やすい絵になるように、適当な大きさにデフォルメして書いているのです。
必要なことなんですよ。

測定原理図3

実際の大きさは頭の片隅に置いておくようにしてくださいね。
たまに測定原理図をそのまま信じ込んで、
「勉強が足らーん!」って言われちゃう人、います。