相関性試験を教えると、まず聞かれるのが、
「相関係数って何?」という当然の質問です。
これが、上手く説明出来ないんですよ。

こんな式見せられても、理解しろっていう方が無理ですよね。
私はこういう解釈が気に入っています。
「高校数学で習った【ベクトルの内積】で、cosθが出てきたでしょう。
あのcosθが相関係数rなんですよ。」

例えば試料を100例測定して、相関性試験をしたとしましょう。
そうした時に、x軸側の測定値(から平均値を引いたもの)を100次元の一つのベクトル、y軸側の測定値も100次元の一つのベクトルと見なす事ができるのです。
100次元、というととんでもない事のように思うかもしれませんが、例えば2次元のベクトル2本には、1つの角度θができます。
3次元にしてみましょう。やはり1つの角度θができます。
4次元以上になると図で書けませんが、例え100次元であっても、2本のベクトルの間には1つの角度θができるのです。
角度θを求めるのに、ベクトルの内積を使う事ができます。
内積の求め方は2つあって、一つは先ほどの、絶対値と角度を使った方法です。


もう一つはベクトルの成分を掛け合わせて足す方法です。
これをcosθを計算する公式に当てはめると、こうなります。
このように、相関係数rは、測定法Xと測定法Yの測定値をそれぞれベクトルと見なした時に、その『なす角』をコサインで表したもの、と解釈する事ができるのです。
同じ方向を向いていると、角度が小さくなってcosθは1に近づきます。
無関係な方向を向いていると、直角に近くなってcosθは0に近づきます。
全く逆を向いていると、角度は180度に近づいてcosθは-1に近づきます。
高校ではベクトルの内積の使い方までは教えてくれなかったでしょう。
実はこんな所にも活用されているのです。