臨床検査での「特異性」にも色々あって、試薬の性能試験としては「正確性」をテストすることが多いです。
AccuracyとPrecisionでいう、Accuracyの方ですね。
Accuracy(正確度)とPrecision(精度)というのは、よく的の例えで示されるもので、
中心からのズレがAccuracy
ばらつきがPrecision
と覚えておけば良いでしょう。
例えば、濃度既知の濃いサンプルを重量法で希釈して、正確な希釈倍率を求め、濃度を算出する方法が一般的です。
イムノアッセイは高感度すぎるので、吸光度とかタンパク定量法などで測定できる高い濃度の試料を作って、それをイムノアッセイの測定範囲まで正確にトレースする方法ですね。
そしてその試料を複数回(3回以上)測定して、表示値から何%ズレているかを計算します。
複数回測定した各測定値(平均値ではない)が全部、規格の%内に入れば合格。
と、簡単にできる試験なのですが、実は問題もあって、
表示値を付ける方法には何の規定もないのです。
要するに性悪説に基づいて、値を測定してから表示値を操作すれば、合格にできてしまうということです。
だからこの方法は出荷判定の時には必ず実施することになっていますが、試薬の開発においてはあまり重視していません。
それより相関試験の傾きや切片を見た方が、試薬性能を端的に表していると思うし、トレーサビリティーを重視して開発を進めた方が後々面倒が少ないからです。