診断薬ではよく使うアジ化ナトリウム(NaN3)。
バイオ系の実験では防腐剤としてよく使われますが、一方で毒性や爆発性を持つ危険な物質でもあります。
でも包丁や自動車と同じこと。取り扱いを間違えると怪我や事故に繋がりますが、正しく使えば産業や経済活動の役に立つものです。
正しい知識を持って、正しく使う事が大事です。
アジ化ナトリウムの毒性は、ヘムに強力に結合することによって呼吸系のチトクロムオキシダーゼを阻害するために発揮されます。
だから抗体活性には影響ありませんが、ヘムタンパク質であるPODは失活してしまうんですね。
取扱い上の注意点は以下の通りです。
1. 金属との接触厳禁
金属アジ化物は爆発の危険性があります。
アジ化ナトリウムは金属と接触させないように取り扱うのが基本です。
薬さじ(スパチュラ)は必ずプラスチック製のものを用意して使いましょう。
また秤量時、電子天秤の金属面にこぼさないように。できれば紙とか敷いて使うとよいでしょう。
2. 酸性溶液への投入禁止
アジ化ナトリウムは酸性にすると、有毒なアジ化ガスが発生します。
なので酸性のバッファー(pH6以下)には使用しないこと。
中性のバッファーの場合は、pHを合わせた後で溶解すること。
基本、アジ化ナトリウムの投入は最後と覚えておきましょう。
例えばTris緩衝液にアジ化ナトリウムを入れる場合、
①Tris溶解
②塩酸でpH調整
③アジ化ナトリウム溶解、の順です。
アジ化ナトリウムを入れた後でpHを上げようとすると、アジ化ガスが発生するし、pHが安定しなくて不便です。
なお、アルカリ性のバッファーにアジ化ナトリウムを投入する場合、その時はいいのですが、廃棄時に中和させるときにアジ化ガスが発生します。廃棄業者さんに引き取ってもらいましょうね。
3. 除菌ろ過と組み合わせて使用する
アジ化ナトリウムも万能ではなく、毒物扱いにならない0.1%では、殺菌作用までは期待できないらしいです。要するに元々コンタミしていた菌を殺すところまでは期待できないということ。
このためバッファーにアジ化ナトリウムを溶解させた後、必ず0.2μmのフィルターでろ過するように工程を組みます。無菌環境でも一応やってますね。
こんな所ですかね。
正しく使って安全な実験を心がけましょう。
バイオ系の実験では防腐剤としてよく使われますが、一方で毒性や爆発性を持つ危険な物質でもあります。
でも包丁や自動車と同じこと。取り扱いを間違えると怪我や事故に繋がりますが、正しく使えば産業や経済活動の役に立つものです。
正しい知識を持って、正しく使う事が大事です。
アジ化ナトリウムの毒性は、ヘムに強力に結合することによって呼吸系のチトクロムオキシダーゼを阻害するために発揮されます。
だから抗体活性には影響ありませんが、ヘムタンパク質であるPODは失活してしまうんですね。
取扱い上の注意点は以下の通りです。
1. 金属との接触厳禁
金属アジ化物は爆発の危険性があります。
アジ化ナトリウムは金属と接触させないように取り扱うのが基本です。
薬さじ(スパチュラ)は必ずプラスチック製のものを用意して使いましょう。
また秤量時、電子天秤の金属面にこぼさないように。できれば紙とか敷いて使うとよいでしょう。
2. 酸性溶液への投入禁止
アジ化ナトリウムは酸性にすると、有毒なアジ化ガスが発生します。
なので酸性のバッファー(pH6以下)には使用しないこと。
中性のバッファーの場合は、pHを合わせた後で溶解すること。
基本、アジ化ナトリウムの投入は最後と覚えておきましょう。
例えばTris緩衝液にアジ化ナトリウムを入れる場合、
①Tris溶解
②塩酸でpH調整
③アジ化ナトリウム溶解、の順です。
アジ化ナトリウムを入れた後でpHを上げようとすると、アジ化ガスが発生するし、pHが安定しなくて不便です。
なお、アルカリ性のバッファーにアジ化ナトリウムを投入する場合、その時はいいのですが、廃棄時に中和させるときにアジ化ガスが発生します。廃棄業者さんに引き取ってもらいましょうね。
3. 除菌ろ過と組み合わせて使用する
アジ化ナトリウムも万能ではなく、毒物扱いにならない0.1%では、殺菌作用までは期待できないらしいです。要するに元々コンタミしていた菌を殺すところまでは期待できないということ。
このためバッファーにアジ化ナトリウムを溶解させた後、必ず0.2μmのフィルターでろ過するように工程を組みます。無菌環境でも一応やってますね。
こんな所ですかね。
正しく使って安全な実験を心がけましょう。