臨床検査用のイムノアッセイ装置を設計するのは大変です。
分注精度のばらつきとか、シーケンスとか。
それに何万回測定してもトラブルが起きないような信頼性も必要です。

もちろん開発時には実験室でマイクロプレートELISAなんかを使って実験している訳です。
道具にもこだわって、ピペットの分注精度、回転撹拌、試薬の分注のタイミングなんかを厳密に制御して。

…なんてことは、実際していないんですよ。意外なほど。

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ELISAあるある。96ウェルのマイクロプレートを使うとミスすることが良くあるんですよ。
ウェルの外に分注しちゃったりとか、シェーカーで撹拌したら溢れちゃったとか、基質分注していて1ウェル飛ばしちゃったから咄嗟に前のウェルにも分注したりとか。
ああ失敗した。今日の実験はダメかもしれない。やり直すの面倒くさいなあ。そんなことを思いながらとりあえずプレートリーダーまで持っていくのです。
誰でも経験があることだと思います。

ところが不思議なことに、そうしたミスをしても意外にもきれいなデータが出てしまうものなのですよ。
この辺がELISAの柔軟性なんでしょうね。だからこそ臨床検査に応用されてきた、という側面もあるのかと思います。

とにかくELISAに慣れた技術者の経験から言えば、ELISAは細かいミスには寛容です。
とにかくテキパキと分注し、ザバッと流しに捨てて、キムタオルにばんばん叩きつけて液を切りましょう。

(周りから「うるさい」と苦情が来ない程度にしておきましょう)

ELISAは誰にでもできる手軽な実験の一つです。どんどん測って研究開発を進めましょう。