イムノアッセイが体外診断薬に応用されているのは、血液中、私たちの分野では血清検体中で、抗原抗体反応が正しく進むという大前提に基づいています。ほとんどの患者さんに対して、正しく測定できるように試薬を作っています。
でも何事にも例外があるんです。
私たちが一番よく経験するのが、ごく希に、試薬に使っている抗体と相性が悪い患者さんがいることです。
相性が悪いってどういう事かというと、例えて言うならアレルギーとか、すごく特殊な血液型不適合みたいなもの。
抗体の特定のクローンに対して過敏で、正しい抗原抗体反応が行われず、結果として異常高値や異常低値を起こしてしまう、というものです。
もちろんかなりレアなケースです。何千か何万人に一人、というぐらいでしょうか。
なぜ「特定のクローンに対して」と考えているかというと、色んなメーカーさんが同じモノクローナル抗体を使っている測定項目がありまして、それらの試薬では共通して異常値、違う抗体を使っていると思われるメーカーさんの試薬では正常、となったことがあるからです。
私たち技術者サイドでは、抗体というのはそういう性質のものだ、という認識です。
抗体は生ものですから、100%の試薬というのはできないのです(それでも99.9%ぐらいはいけると思っています)。
ごく希に相性が悪い患者さんがいて、異常値が起こる事がある、というリスクをきちんと把握しておきましょう。
このような事実があるから、添付文書に必ず「この検査結果のみで診断を行わず、他の関連する検査結果と合わせて総合的に診断して下さい」と書いてあるのです。
一般的に異常値の対策として、別のキットで測定してみるのが有効と言われていますが、抗体の相性問題の場合は別の抗体を使った試薬では何も問題なく測定できます。
だからといって、そちらのキットの方が性能が良い訳ではなく、そちらにだけ相性が悪い検体も必ずあります。
この「相性」の正体が具体的に何なのか、それは内緒です。
でもこの相性問題を専門に研究している人に会ったことがあります。うまくいったら論文に書いてほしいですね。
抗体と検体に相性があることは、技術サイドではある程度仕方ないと捉えられています。
さらに自分でELISA系を作ったことがある検査技師さん、経験のある学術・営業の方ならだいたい解っていて、
「そういう事もたまにある」
と、特に何事もなくやり過ごしているのです。
ところが一番困るのは、お客様から「変なデータが出たよ」と連絡を受けた経験の浅い営業マンが、
「すみませんうちの試薬が悪いんです。すぐに開発に言って改良させます。」
その場しのぎの誠実アピール対応をして持って帰ってきてしまうこと。
そんな事したら、お客様が納得して頂けるような回答文書を用意しないといけなくなるじゃないですか。
「元々そういう性質のものなんです」で済ませられなくなってしまうのです。
そもそも採血管1本程度の血清量で、原因分析してよと言われても無理。
みんなで幸せになろうよ。
誰のせいでもないんだよ。
でも何事にも例外があるんです。
私たちが一番よく経験するのが、ごく希に、試薬に使っている抗体と相性が悪い患者さんがいることです。
相性が悪いってどういう事かというと、例えて言うならアレルギーとか、すごく特殊な血液型不適合みたいなもの。
抗体の特定のクローンに対して過敏で、正しい抗原抗体反応が行われず、結果として異常高値や異常低値を起こしてしまう、というものです。
もちろんかなりレアなケースです。何千か何万人に一人、というぐらいでしょうか。
なぜ「特定のクローンに対して」と考えているかというと、色んなメーカーさんが同じモノクローナル抗体を使っている測定項目がありまして、それらの試薬では共通して異常値、違う抗体を使っていると思われるメーカーさんの試薬では正常、となったことがあるからです。
私たち技術者サイドでは、抗体というのはそういう性質のものだ、という認識です。
抗体は生ものですから、100%の試薬というのはできないのです(それでも99.9%ぐらいはいけると思っています)。
ごく希に相性が悪い患者さんがいて、異常値が起こる事がある、というリスクをきちんと把握しておきましょう。
このような事実があるから、添付文書に必ず「この検査結果のみで診断を行わず、他の関連する検査結果と合わせて総合的に診断して下さい」と書いてあるのです。
一般的に異常値の対策として、別のキットで測定してみるのが有効と言われていますが、抗体の相性問題の場合は別の抗体を使った試薬では何も問題なく測定できます。
だからといって、そちらのキットの方が性能が良い訳ではなく、そちらにだけ相性が悪い検体も必ずあります。
この「相性」の正体が具体的に何なのか、それは内緒です。
でもこの相性問題を専門に研究している人に会ったことがあります。うまくいったら論文に書いてほしいですね。
抗体と検体に相性があることは、技術サイドではある程度仕方ないと捉えられています。
さらに自分でELISA系を作ったことがある検査技師さん、経験のある学術・営業の方ならだいたい解っていて、
「そういう事もたまにある」
と、特に何事もなくやり過ごしているのです。
ところが一番困るのは、お客様から「変なデータが出たよ」と連絡を受けた経験の浅い営業マンが、
「すみませんうちの試薬が悪いんです。すぐに開発に言って改良させます。」
その場しのぎの誠実アピール対応をして持って帰ってきてしまうこと。
そんな事したら、お客様が納得して頂けるような回答文書を用意しないといけなくなるじゃないですか。
「元々そういう性質のものなんです」で済ませられなくなってしまうのです。
そもそも採血管1本程度の血清量で、原因分析してよと言われても無理。
みんなで幸せになろうよ。
誰のせいでもないんだよ。